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BLUE STRINGS  

   浜松の弦楽器工房 竹下楽器のギターなウクレレな日々

2018/09/03 (Mon) Martin OOO-ECHF ネックリセットの修理

いろいろとあって更新ができていませんでした。
エリック・クラプトンのモデルのネックリセットを紹介します。

ネックが起きている状態です。
弦高を下げるためにトラスロッドを締め込んでいて、
1~14フレットくらいまではほぼまっすぐになっていて
ジョイント部分からジャンプ台の様に、せり上がった状態になっています。
フレットの端を目で追っていただくと
ジョイント付近で指板がいわゆる “くの字” になっている状態がよくわかります。
弦高を限界まで下げるために、更にロッドを締め込んで
1~14フレットまでが逆に反っているものもあります。
IMG_3238.jpg

弦高が12フレット上で3~4ミリくらいと段々と高くなってくると弦のテンションがキツく感じられ
指が痛くて長時間弾けない上に
ハイポジションで音が#してしまったりしますので
もっと弦高を下げたいわけですが
サドルはすでに低く、ブリッジからわずかに頭が出ている状態です。
IMG_3251.jpg

サドルが低い時点ですでに音にハリが無くなってしまっていますが
とりあえず弾きやすくするためには、

ネックアイロンをしてネックの反りを矯正して調整するか
ブリッジの厚みを削って低いサドルでも頭が出るように調整する、という修理になります。

ネックアイロンは指板とネック材の境目で段差やクラックが出たり
熱でネックの塗装が泡立ってしまったり、
また時間が経過すると状態が戻ってしまう事があり、
当工房では使用していません。
ブリッジは薄くなると強度が弱くなりますし、(私見ですが)見た目にも違和感があります。
こういった修理は一時的に状態を改善できますが
結果的にギターの状態を悪くしてしまう場合があります。

ではどうするのか
ネックをボディから一旦外して、ネックの仕込角を適切な状態に調整し、
再びネックを接着する ネックリセット を当工房ではおすすめしています。
ネックリセットはとりあえずという対処療法ではなく
弦高が高くて・弾くにくくて・音がイマイチ、という状態を
根本から解決できる修理方法となります。

kIMG_93145.jpg
kIMG_93155.jpg


ネックの接着には 膠(にかわ)を使用しています。
ネックとボディの接着を剥がしてネックを外すにはそれなりにダメージがあるわけですが
そのダメージが最小限になるように工夫していますので
仕上がりの状態を見ても、ネックを外した形跡はほとんどわかりません。
kIMG_9866.jpg

ネックリセットができれば
サドルは高さを維持したまま弾きやすい弦高に調整が可能となり、
修理後もその状態が維持されます。
kIMG_9864.jpg

パツパツでパンパンに張っていた弦の感触は緩やかになり
長時間の演奏でも指へのダメージが少なくなります。
弦の振動はより自然な状態となり、
変に力まなくても軽やかに響き、
音がより前に出ていく感触があります。
kIMG_9873.jpg


若い時に買ったけど弾きにくい状態のままであんまり触ってないマーティンをなんとかしたいなぁ…
近くの楽器店でとりあえず弾きやすく弦高を下げてもらったけど、うーん…
買った時はもっといい音してたと思うんだけど、最近イマイチだなぁ…
ネックアイロンしてもらったんだけど、やっぱり弾きにくいなぁ…
ん?よく見るとヒール浮いてない?ネック外れてる?あああぁぁー…

という方はぜひネックリセットの修理・調整をご検討下さい!
http://www.bluestrings.co.jp/mrepair.html

ネックリセットの修理記事はこちらをご覧ください。
http://bluestrings.blog33.fc2.com/?q=%E3%83%8D%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%BB%E3%83%83%E3%83%88

またナットを交換することでさらなる出音の改善が期待できます。
またフレットの状態は弾きやすさに直接影響しますので
フレット交換、もしくはフレットの減りが多くない場合はフレットすり合わせがおすすめです。
フレットすり合わせはフレットのエッジが尖っているのも改善できます。
フレット交換ができる場合は指板のうねりを補正したり
指板の研磨の状態、エッジの処理も改善できます。
より長寿命のフレット GOLD EVO に交換することもできます。





ギターの修理・調整のご依頼、お待ちしております
http://www.bluestrings.co.jp/repair.html
マーティン修理の記事一覧
http://bluestrings.blog33.fc2.com/?q=martin




BLUE STRINGS  アコースティックギター製作のご依頼、お待ちしております
http://www.bluestrings.co.jp/guitar.html

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2018/08/04 (Sat) Gibson J-45(1942) 修理調整

以前より大変お世話になっている長野県の Sさまより 

ギブソン J-45 をお預かり致しました。

過去に色々と修理もされ、時を経ている1942年製の風格のあるかっこいいJ45ですが
気持ちよく弾けるためには他にも修理すべき箇所がいくつもありますので状態を改善していきます。

フレットがローポジションのみ太くて高いものに交換されていますので交換します。
s-IMG_9157.jpg

サドルの溝とサドルが合っておらず傾いてしまっています。
また弦末端の太い箇所がサドルに乗っています。
s-IMG_9155.jpg

サドル溝は接着剤などが付着していますが周辺も広がってエポキシで埋めたような感じですので
溝を再加工します。
s-IMG_9165.jpg

ブリッジプレートのメイプルもボールエンドがめり込んでかなりキテますね。
s-IMG_9168.jpg

またブレイシングをよく見ると剥がれていました。
ブレイシングの剥がれを防止するためだったのか、妙な木片も接着されています。
s-IMG_9166.jpg

横から見ると浮いているのがよく見えます。
s-IMG_9167.jpg

またXブレイシングの接合部から割れが入っています。
s-IMG_9169.jpg

バックの一番奥のブレイシングも剥がれていました。
s-IMG_9170.jpg

こちら側も剥がれて過去の修理跡も確認できます。
s-IMG_9171.jpg

少しづつ修理していきます。
浮いたブレイシングは接着できました。
s-iIMG_9353.jpg

隙間はなくしっかり接着できました。
s-iIMG_9354.jpg

接合部の割れも接着できました。
s-iIMG_9355.jpg

ブリッジプレートの広がってしまった弦穴を補修しました。
s-iIMG_9352.jpg

また厚みが足りないので補助のプレートを追加しました。
s-iIMG_9356.jpg

サドル溝を補修するためにブリッジを削ります。
s-iIMG_9357.jpg

色の近いハカランダ材で埋めます。
s-iIMG_9359.jpg

サドル溝を切り直して、ロングサドルも加工しました。
弦末端の太い部分もサドルに乗らずおさまっています。
s-iIMG_9366.jpg

フレットを交換します。
s-iIMG_9277.jpg

フレットは長寿命のGoldEVOです。整形研磨バフでピカピカに仕上げます。
s-iIMG_9361.jpg

テープを剥がしたらポジションマークも剥がれてきてしまいました。
マークは厚みがほとんどなくてしっかり奥まで入っていない状態で研磨されて薄くなっていたようです。
再利用ができないので同じインチサイズで白蝶貝を加工し、穴を深くしてインレイします。
s-iIMG_9362.jpg

いい感じです。
s-iIMG_9363.jpg

フレットもとてもいい感じです。
s-iIMG_9365.jpg

ナットも交換させていただきました。
s-iIMG_9364.jpg

とても弾きやすい状態に調整できました!
s-iIMG_9369.jpg


ギターを受け取られたオーナー Sさまよりあたたかいメールをいただきましたので
掲載させていただきます。


竹下さん
本日、無事にギターが手元に届きました。
素晴らしい仕上がりですね!
また宜しくお願いします!
ありがとうございました!

S



いつもありがとうございます!
ぜひまたお声かけて下さい!



ギターの修理・調整のご依頼、お待ちしております
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2018/07/23 (Mon) C414カスタムの完成! #ウクレレ #ukulele

製作を進めていた C414 カスタム
ブリッジを接着し、ピックアップの取り付けなど組み込みが完了し、いよいよ完成です!

加工途中の記事は以前の記事を御覧下さい。 → その1 その2

材木の杢や色合いがなるべくそのままキレイに出るように塗装しています。
s-iIMG_9322_20180723115047f66.jpg

バックのマダガスカルローズウッドもワイルドな木目が美しいです。
s-iIMG_9323_20180723115049430.jpg

サイドもバックと同じ材料からとっていますので色合いもバッチリです。
ピックアップはMisiがついていて、出力のバランスも調整できました。
s-iIMG_9319_20180723115048de6.jpg

エボニーのヘッド。ペグはゴールドです。
s-iIMG_9305_20180723115051a6b.jpg

Gotohのペグでポストの高さがアジャストできるようになっています。
s-iIMG_9325_201807231151530b5.jpg

ハカランダ指板に白蝶貝のインレイが輝いています。
フレットのエッジはかなりなめらかに加工しました。
s-iIMG_9306_201807231150525d2.jpg

ロゼットも、ボディ外周パーフリングもアバロンが輝いています。
s-iIMG_9313_20180723115155ba5.jpg

サドルは各弦オフセットした無漂白牛骨製です。
s-iIMG_9312_20180723115156eda.jpg

弾きやすく、ラウドな鳴りで、とってもかっこいいウクレレが完成しました!
s-iIMG_9301_201807231151584a8.jpg

オーダーいただいたKさまにはウクレレの仕上がりにとても満足いただけました!
イベントやライブに数多く出演されていますのでこれからステージでも活躍してくれると思います!
s-iIMG_9339.jpg


今回も誠にありがとうございました!
ぜひぜひまたよろしくお願い致します!

 
こちらは記録のために撮っている動画ですが
画像以上に質感が伝わると思いますのでご覧下さい。
イイネ!とチャンネル登録もお願い致します。





ウクレレのカスタムオーダーお待ちしております!
http://www.bluestrings.co.jp/ukulele.html

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2018/07/20 (Fri) コンサートのウクレレ C414カスタムの製作 その2

C414カスタム 製作の続きです。

アイボロイドのバインディング、またアバロンのパーフリングを入れていきます。
s-IMG_8945.jpg

かなりキレイです。
塗装すると水を得た魚のようにっていうくらいキラキラ青く光ります。貝ですけど。
s-IMG_8947.jpg

マホガニーのネックも加工してきます。
s-IMG_8968.jpg

指板またブリッジはハカランダです。ブラジリアン・ローズウッドです。バラの様な?甘い香りがします。
s-IMG_8969.jpg

指板もアイボロイドのバインディングをします。
s-IMG_8970.jpg

お客さまのご希望に合わせてポジションマークをインレイします。
s-IMG_8971.jpg

フレットの打ち込みです。
s-IMG_8972.jpg

指板エンドの19、20フレットは右手の爪に当たりやすいということで
今回はなしで加工しました。
s-IMG_8983.jpg

ヘッドはエボニーの突板です。
s-IMG_8984.jpg

木部の加工が完了しました。
s-IMG_8986.jpg

ラッカーで塗装します。
s-IMG_9196.jpg

フレットを仕上げて、ナットを取り付け。
s-IMG_9252.jpg

いよいよ完成です。続きます…



ウクレレのカスタムオーダーお待ちしております。
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2018/07/18 (Wed) コンサートのウクレレ C414カスタム の製作 その1 #ウクレレ #ukulele

以前より大変お世話になっている県内の Kさま よりコンサートウクレレのオーダーをいただきました。
以前に製作させていただいた楽器とても気に入ってくださり、

そして今回はななななんと、3本目のオーダーとなります。

本当にありがとうございます!!!


今回は標準の厚みのあるコンサートサイズのウクレレをご希望で
工房で材料を選んでいただきました。
ご夫婦でライブに出演されていますので
すぐ使用できるように、ピックアップ付きのウクレレを製作します!

簡単ではありますが加工の過程を画像を交えながら紹介させていただきます。

トップはハワイアンコアです。
あんまりバリバリの杢ありのものよりも適度なものがいいということで
工房で手にとってお選びいただきました。
s-IMG_8814.jpg

ブックマッチで接着します。
s-IMG_8161.jpg

バックはエキゾチックな木目が美しいマダガスカル・ローズウッドです。
s-IMG_8158.jpg

ラフに外形を加工して厚みを加工します。
s-IMG_8864.jpg

バックにブレイシングを接着します。
s-IMG_8878.jpg

トップはロゼットを加工します。
アバロンを入れました。
s-IMG_8879.jpg

サイドもブックマッチのセットになっています。
マダガスカル・ローズウッドで加工します。
s-IMG_8865.jpg

曲げてライニングを接着します。
s-IMG_8893.jpg

ピックアップを取り付けるため、エンドピンジャックの穴加工をします。
s-IMG_8895.jpg

形ができてきます。
s-IMG_8896.jpg

サイド、バック、トップを接着して箱になります。
s-IMG_8921.jpg

画像ですのでどんどんと進んでいますが
少し加工して、乾燥して、を繰り返して長い期間をかけて少しづつ進めています。

続きます…



ウクレレのカスタムオーダーお待ちしております。
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静岡県浜松市のギター・ウクレレ工房です。
ギター、ウクレレなどの弦楽器を
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竹下 泰弘
竹下楽器
〒435-0028 静岡県浜松市南区飯田町333
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090-5444-5185
053-545-3996

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製作した楽器の画像はこちら
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