前回の記事では475カスタムの製作の過程をご紹介しました。
前回の記事は →こちら
オールラッカーの塗装を終えて、
組み込み、調整、そして完成!です。
マスタークラスのアディロンダックレッドスプルース。本当に美しいです。
サイド&バックはスパニッシュサイプレス。
ピックアップも取り付けできました。
超小型ヘッドのハカランダの模様も美しいです。
ペグはGotoh製SG510シリーズの最小となるSGi510を使用しました。
色が濃く、美しいハカランダ指板に白蝶貝のドット。
フレットは弾き慣れたお好みのサイズのものです。
ブリッジも美しいハカランダです。
サドルまたナットも無漂白牛骨で加工しました。
ジョイント付近での演奏性を高めた、ヒールレスジョイント。
ネックはワンピースのホンジュラス・マホガニーです。
ハードケースは形状に合わせてカスタムメイドで
なるべく軽量なものをオーダーしました。
いよいよ完成したギターの音を確かめるSさま。
薄型軽量のボディからは想像できないほど音量があり、驚いておられました。
重量を量ってみると、1482gでした。
持った時の感触はびっくりするくらい軽いです。
Sさまが以前から愛用されてる他のギターより0.5~1kgくらい軽いとのことでした。
弦高は12フレットで1.8ミリ~1.2ミリほどに調整し、
薄く細めのネックでとても弾きやすいです。
ボディは抱えてみると、体にフィットして一体感があります。
中低域くらいの成分やムダなものが削ぎ落とされたような
太く、そして早いキラキラした音、という印象でめちゃ気持ちいい!
聞いたことのない材の組み合わせで
また作ったことない仕様の数々でしたが
本当に上質なギターが完成できて、とてもいい経験となりました!
これはもう軽量・薄型!のアコギの時代の到来でしょうか!?
今回も機会をいただき本当にありがとうございました!
また調整などお声かけて下さい!
※追記
Sさまより嬉しいコメントをいただきました。
音がクッキリすっきりコレは名器です
よくある一般のエレアコと並べると半分か1/3の大きさに見えますが生音で音の大きさは負けません不思議です残響はとても少なく余分な音が残らないから音がクッキリしているしかも硬い音ではない1.5kgと軽いのでお出かけにも便利なエレアコ
ありがとうございます!
BLUE STRINGS アコースティックギター製作のご依頼、お待ちしております
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ウクレレのカスタムオーダーお待ちしております
http://www.bluestrings.co.jp/ukulele.html
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静岡県内の しんさん より オーダーをいただきました
T414 カスタム がいよいよ完成できました!
トップは神代杉です。
めちゃ古いです。
3,000年くらい前の木材です。
渋い色合いで独特の雰囲気があります。
長い長い眠りを経て、鳥海山の地中より現代に蘇った、縄文時代晩期頃の木材です。
サイド&バックはウェンジです。
素直な木目で神代杉と色味がとてもマッチしています。
べっ甲柄のバインディングが効いています。
ヘッドはジリコテ(シャム柿)の特徴的な木目を活かしました。
ペグはしっかりしたGOTOH UK700 です。
指板はエボニー。
ネックはマホガニー。
ロゼットは白蝶貝。
ブリッジもエボニー。
ナットとサドルは無漂白牛骨です。
とてもシックでエレガントなテナーウクレレとなりました!
オーダーして下さった しんさん は
16世紀のヨーロッパの古典音楽など
リュートの楽曲などをウクレレで演奏していらっしゃいます。
当時に出版されていたタブラチュア(TAB譜の原型のようなもの)のコピーを見せていただきました。
数字がアルファベットになっていたり、読み方が少し異なったりしていますが
ウクレレそのままのチューニング(GCEA)で弾ける曲もあるそうです。
(※こういった楽譜は御茶ノ水のとあるお店で購入されたそうです)
ご自身で弾きやすいようにウクレレ用に採譜したりと研究をされています。
すばらしいですね!
(この絵の楽器は4・3・2が副弦になっていて1弦のみ単弦になっていますね)
できたてのウクレレで演奏してくださいました!
(チューニングはLow-Gになっています。)
テナースケールのハリのあるサウンドは
こういった楽曲の演奏にもにもバッチリ合っていますね。
中身のあるリッチな音で個人的に大好きです!
しんさんには今まで弾いていたウクレレより音が良いということで
仕上がりにも満足いただけました。
演奏もしていただき感謝しております。
3,000年前の神代杉のウクレレで500年前の古典の音楽を弾く、って、とても粋ですよね!
ステキなオーダーをいただけて、本当にありがとうございました!!
ぜひまたお声かけてください!!
記念にパチリ☆
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遠州森町でオカリナの奏者、作・編曲家として活躍されている
まこさん より
オーダーをいただいて製作を進めていたギターが、いよいよ完成しました!
少し小ぶりなサイズの BLUE STRINGS Model 475 で
ご自身のご希望を盛り込んだ素晴らしい仕様になっています。
ハカランダの突板に榊をイメージしたインレイを入れました。
ペグはSGS510、エボニーボタン。
指板はマダガスカル・ローズに白蝶貝のポジションマーク、
ネックグリップは握りやすいソフトなVシェイプです。
最終フレットにはまこさんのネームを黒蝶貝でインレイしました。
ロゼットは天然の鉱石を入れたミネラル・ロゼット。
ブリッジも指板と同じマダガスカル・ローズウッドで両耳にもインレイを入れました。
塗装はラッカーのヴィンテージサンバースト。
サイド&バックは黒で塗装。
よーく見るとホンジュラスマホガニーの美しい木目が見えるバーストになっています。
ツルッツルの鏡面なので写真を撮るのが難しい…(笑)
シャビーなウチの工場をバックにパチリ☆
まこさんは遠州森町にライブスペースのあるご自宅を建てて、
昨年に引っ越しをされたということで
そちらに納品に行かせていただきました。
ケースを開けて、いよいよご対面、
柔らかいピックが各弦をプチプチと弾く音に、
トップのレッドシダーが繊細に反応して
とても気持ちのいい音がします!
小さめのボディながらローも十分出ていて
「期待以上だった!」 と とても満足いただけました!
まこさんは以前よりシンガーソングライターとして
アコースティックギターを長く弾いてこられたそうで
ご自身で作曲・演奏なさるオカリナの楽曲には
ギターの伴奏もしっかり入っています。
ライブでオカリナの演奏もしていただきました!
キーごとにいろいろなオカリナを使い分けて
音圧というか骨に共振してくるような音でありながら
とても柔らかさがあって、どこか懐かしい感情が湧き上がってきます。
ご自宅には宅録の機材や録音用のブースもあり
ご自身の好きなことを追求していく生き方にも共感し
庭木、菜園などなど他にもいろいろな話に花が咲きました。
手づくりのモノがたくさんあり、とてもステキな空間で
すっかり長居をしてしまいました。
これからこの475で、たくさん弾いて録音して楽曲を残してくださるということで
自分にとっても本当に嬉しい楽器製作となりました。
本当にありがとうございました!
またおじゃまします!
まこオカリナ
http://makoocarina.blog.fc2.com/
https://www.youtube.com/channel/UCI1nRfJvdZSvHCpR302dJZw
※まこさんのライブスペースでは演奏会やオカリナの教室などいろいろなことをされています。
興味のある方はこちらのリンク先も御覧ください。
https://blog-imgs-127.fc2.com/b/l/u/bluestrings/20190530130341a00.jpg
BLUE STRINGS アコースティックギター製作のご依頼、お待ちしております
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ギターの修理・調整のご依頼、お待ちしております
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製作を進めていた 475 カスタムもいよいよ完成です!
加工途中の記事は以前の記事を御覧下さい。 → その1 その2
お客さまご希望のカラーリングでラッカー塗装できました。
フレットのすり合わせと整形研磨バフ。
ブリッジピンは弦穴へのはまり具合が微妙に異なりますので印をつけました。
指板と同じマダガスカルローズで製作したブリッジをにかわで接着します。
サドルは無漂白牛骨で各弦オフセットした仕様で加工しました。
杢も浮かび上がって青が映えるコンター部分、見た目のかっこよさもさることながら
肘の当たり具合がなめらかになり、とても弾きやすくなります。
演奏者側に向いているサイドサウンドホール。
ヌケのいい音がプレイヤー側に出ます。
ハイポジションの演奏に適したヒールレスとツイステッドカッタウェイ。
マダガスカルローズ天神。
木目とゴールドのペグがマッチしてします。
ペグはGOTOH製でギア比が 1:21 になっていて微細なチューニングがしやすくなっています。
黒いトップだと移り変わっていくミネラルロゼットの色がさらに映えますね。
コンターのブルーともリンクしていて、とてもいい感じです。
めちゃくちゃかっこいいギターができました!
このギターを受け取られた akiramanさま より素敵なレヴューをいただきましたので掲載させていただきます。
今回プレイアビリティー重視でオーダーして良かったです。
まず、コンター加工は長時間弾いても疲れませんね。効果絶大です。
そして色合いが最高です。まさにBLUE STRINGSらしさを主張できたと思います。
ロゼッタとのカラーバランスも絶妙ではないでしょうか。
次にネックですが、クラシックギター寄りの台形と希望いたしました。
もっとガチガチの台形でも良かったのですが、
程よく そうちょうど親指が押さえるスペースが平べったくなっているので、
セーハ時でも押さえやすくて力が入りやすいです。
よくぞ成形していただいたという感嘆を上げました。
ナット幅も44mmと43mmは経験がありますが43.5mmは私の小さい手にとってちょうど良いです。
5フレット以上でも親指で6弦を押さえることができ、弾ける曲が増えそうです。
ツイステッドカッタウェイは前回同様その使い勝手の良さは承知済みでしたが、
なんといっても今回はヒールレスジョイント。
待望の13フレットにカポの曲が弾けるわけですが、そこでも威力を発揮してくれそうです。
最後にサイドサウンドホールです。
これはモニターとして良いのではないかと思いましたが、そもそもサウンドホールから良い音が出ているので、
サイドからどのくらいでているのか個別に計測してみようかなと思います。
プレイアビリティー以外の感想まで書きますと、かなり長くなるので、続きはブログでご紹介したいと思います。
2年近くかかりましたが、その出来映えと操作性に大満足です。
ちょうど仕事も忙しかったですし、歳を取ると待つのが苦でなくなるので待たされた感もありません。
これからは自分の手に馴染むまでひたすら弾き込むしかないですね。
その頃にはまた新たなリクエスト一杯のオーダーをすることになるでしょうね。
感動をありがとう。大事にします。
オーナーakiraman さまの ブログ→ https://bs-guitar-funnypage.blogspot.com/
またこの475を使ってソロギターの動画をアップして下さいました。
ギターの音もよくわかりますので、ぜひ御覧下さい!
今までNAMM出展などなどいろいろありまして、
僕のは後回しで良いですよー、なんて優しいお言葉に甘えて
本当にとっても長い間お待たせしてしまいました(汗)
また製作の期間中、そっとしておいてくださり、製作に集中できたこと、とっても感謝しております。
本当にありがとうございました!
ぜひこれからたくさん弾いていただければと思います!
今後とも、よろしくお願い致します!
こちらは記録用に撮っている動画ですので、こちらも御覧下さい。
BLUE STRINGS アコースティックギター製作のご依頼、お待ちしております
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475の製作 の続きです。
以前の記事は こちら
指板の加工です。
指板材はマダガスカル・ローズウッド。
フレット溝の加工。
パーフリング、バインディングをしてサイドポジションマークの穴加工。
サイドポジとパーフリングが連なったデザインになっています。
ネックも加工が進んでいます。
ネックの補強にはカーボンファイバーロッドが2本入っています。
またセンターには両利きのトラスロッドが入っています。
ヘッドの加工。
突板を接着してペグ穴を開けました。
指板にある筋がヘッドにつながっていく感じで接着してみました。
鑿でサクッと切り込みを入れます。
ノミは越後三条の山弘。
指板面を仕上げてフレットを準備します。
ボディも進んでいきます。
サイドとバックができました。
トップも接着してパーフリング・バインディングを接着します。
サイドにサウンドホールを加工。
また右手の肘の当たる箇所にコンターを加工しました。
ほぼ完成したボディです。
後は塗装していよいよ完成です。
続きます…
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