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   浜松の弦楽器工房 竹下楽器のギターなウクレレな日々

2014/12/24 (Wed) Martin D18ネックリセット

埼玉県のU さまより  マーティンD18 をお預かりいたしました。

70年代にロサンゼルスの楽器店で出会い、アメリカの旅を共にしたという大変思い入れのあるギターでしたが
十分にメンテナンスができず弾きにくい状態になってしまい、最近は演奏する機会が減っていたということです。
今回思い切ってネックリセットなど全体の修理・調整をお申込みいただきました。

慎重にネックを外します。
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以前にもネックリセットがされていたようで、その際に14フレットで切断してしまったようです。
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かなりヒールは浮いて接着されていたようで隙間を塗料で埋めた状態でした。
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ボディ側にも塗料などが盛り上がってついていますので除去して
ネックの角度調整をします。
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ヒールに隙間なく、ネックを接着できました。
ハイポジションの指板裏にはテーパー状のシムを貼り付けています。
(以前のフレット交換の際に指板のハイポジション上面が削ってあるなどで
元々14フレットで“への字”に曲がっているギターは
仕込み角調整後にその角度がさらにきつくなってしまうために、テーパーシムを追加します。)
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ボディ内部をよく確認すると、バックの2番目のブレイシングが両側が剥がれていました。
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片側づつ接着します。
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フレットはすり合わせ、整形・研磨します。
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ナットは弾きやすさを重視して溝を調整しました。
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フレットもレベルがでてとてもいい感じです。
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サドルは交換しました。
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修理前は弦高が12フレットで5ミリほどあり、弾きにくくてつらい状態でしたが、
今は2ミリ前後に調整され、とても弾きやすくなりました。
長時間弾いても疲れにくく、音もかなり変化があり、心地よい音になりました!
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ギターを受け取られたオーナー Uさまより嬉しいメールをいただきましたので
掲載させていただきます。


竹下さん

年末で忙しかったのか、ヤマト宅急便のお兄さんが
午後10時にギターを届けてくれました。

今日は来ないだろうと思っていたところ
突然届いたのでビックリしましたが、
小躍りしてケースを開けたところ、弦高が低くなり、
見た目で凄く良い音がでそうなフォルムで嬉しくなりました。

さっそく弾きだすと、竹下さんが言った通り、
とても弾きやすく気持ちの良い音がでました。

というか、今までにない音が出て来たのにはビックリしました。
D-18がこんなに甘く深みのある音が出るとは・・・
本当に自分のギターかと思わず疑う程でした。

やはり楽器は定期的に整備調整を行う必要があるのだと痛感しました。

最近はあまり弾いていなかったし、手入れも怠っていたのでヘソを曲げていたんですね。


今日は遅いので、明日からたっぷり鳴らしてあげようと思います。
なにかまた心に若い頃の情熱が湧いて来ました。

とにかくこのギターを修理して頂きまして本当にありがとう御座いました。
次に整備調整が必要な時には、また竹下さんにお願いしたいと思います。


U



ご用命誠にありがとうございました!
ぜひまたお声かけて下さい!



マーティン調整
http://www.bluestrings.co.jp/mrepair.html
マーティン修理例
http://bluestrings.blog33.fc2.com/?q=martin

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2014/12/17 (Wed) Martin D18DCネックリセット

神奈川県の I さまより マーティンD-18DC をお預かりいたしました。

250本限定のDavid Crosbyシグネチャーモデルです。
ネックが起きて弦高が高く、ハイポジションでは指がつらくなってしまう状態でしたので
ネックリセットをお申込みいただきました。
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慎重にネックを外します。
ヘッドには帆船のインレイが入っていて、その他の装飾や塗装の色などこだわりの仕様になっています。
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ダブテイルの調整には紙が使用されていました。
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ボディ側にも付着しているのですべて取り去ってキレイにします。
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ネック材と同じマホガニーのシム板を接着しました。
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ダブテイルの接合を慎重に調整します。
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再びネックセットできました。
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フレットはすり合わせをしました。
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ウェバリーのペグですが、ギアの下のワッシャーが無くなってがたついていましたので
近似のワッシャーを入れて、摺動部にグリスを塗布しました。
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ペグのがたつきは改善され、チューニングはスムーズにできるようになりました。
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ピックアップを交換するため、外します。
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エルアールバッグスのM80をセットしました。
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バインディングやエンドグラフトもべっ甲模様がかっこいいですね。
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ナットは交換しました。
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サドルも交換しました。
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ネックのアングル、ナット、フレット、サドルとすべての状態が更新され、
とても弾きやすく、弾いていて気持ちの良い状態にできました!
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ギターを受け取られたオーナー さまよりあたたかいメールをいただきましたので
掲載させていただきます。


竹下様

大変お世話になりました。
おかげさまで、すばらしいギターになって戻ってきました。
弾きづらかったハイポジションもとても弾き易くなり気持ちの良い音がでます。また、ピックアップもピエゾタイプからマグネットタイプのM80に替えて
生音に近い音が出るようになり、良かったです。
これからもずっとこのギターと音楽を楽しんでいくことができそうです。本当にありがとうございました。

I



ご用命誠にありがとうございました!
ぜひまたお声かけて下さい!



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2014/12/10 (Wed) Martin O-45(1926) 修理

暮らしの手帖 編集長でもある 松浦弥太郎  さまより
マーティン O-45 をお預かりいたしました。

このギターは1926年製。日本は大正15年です。しかも45。
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...-っと見とれてしまうわけですが、
いくつか修理すべきところがあり、そこを改善していきます。
かなり修理の痕跡もあり、このギターが過ごした年月に思いをはせながらの作業です。

まずはナットですが、
ナット溝が低く、強く弾くと開放弦でバズが出る状態でしたので、ナットは交換することにしました。
また以前の修理でヘッド表の突板が損傷しており、接着のラインに沿って剥がれて浮いているので
そこも同時に修復します。
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ナットが入る溝の部分は横から見ると突板の角度が少し鋭角になっていて、
ナットを左右方向にスライドして外すようになっています。
一旦、突板の接着を部分的に剥がして、剥がれと破片がきれいに収まるように数回に分けてクランプし接着します。
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完全には修復できませんが隙間がなくなり、浮いていた剥がれは接着されました。
新しいナットを用意して交換します。
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交換できました。
鳴りと弾きやすいテンション感を意識して、ナット溝を切りました。
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ボディ内部をよく見ると、Xブレイシングの接合部分から割れが入っていました。
弦の張力を支える重要な部分ですので接着します。
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鏡越しでないと見えず、また手が入りにくい箇所で、クラックに接着剤を入れることが容易ではありません。
接着剤は膠(にかわ)ですのでオープンタイムが短いので、何度かシミュレーションして準備し、クランプを成功させます。
修理跡はなるべく残さず、しっかりと接着できました。
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45モデルですので全体に貝の装飾が施されているのですが、
経年変化で部分的に貝が抜け落ちてしまっている部分があります。
s-IMG_7998j.jpg
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欠損している箇所となるべく同じ色、形状の貝を切り出して補修します。貝の幅は1ミリほどです。
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s-IMG_8178j.jpg

またエンドピンと穴のテーパーが合っておらず紙とテープが入っていてしっかりと固定ができない状態でした。
s-IMG_8083j.jpg

穴を小さくするためにテーパー状にマホガニーの薄板を接着しました。
s-IMG_8085j.jpg

エンドピンのテーパーに合わせて嵌り具合を調整します。
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こちらはサドルですが、ブリッジプレートにボールエンドがめり込んでしまっている影響で
サドルの上に弦の末端の太い部分が乗ってしまっています。
s-IMG_5811.jpg

弦穴周辺を削って埋めて修復することもできますが、
ブリッジプレート自体がとても薄く、その修復だけでは効果が期待できないので
ボールエンドを保持するプレートを製作することにしました。
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製作したプレートは接着しないので、オリジナルの状態はそのままで、音質を向上させることができます。
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いろいろな修理を終え、いよいよ新しい弦に交換!すると、素晴らしい音が返ってきました!
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弦を弾くときに期待する音量よりもずっと豊かな音が出て、とても気持ち良くなってしまいます。
とても軽やかなボディが細かく振動して、ボディ内で音がグルグル回っているのが感じられます。
抱えやすいサイズといい音といい、とても素晴らしいギターですね。
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ギターを受け取られた松浦さまよりあたたかいメールをいただきましたので
そのまま掲載させていただきます。


竹下さま



いつもお世話になっています。

ギター到着しました。

このたびはありがとうございました。

ギターがリペアから戻ると、

なんだか子どもが旅行から帰ってきたような、

嬉しさと安堵感があり、最初に弾くときは、

ちょっとしたおしゃべりをするような楽しみがありますね。

早速弾いてみました。

リペア前の音も気に入っていましたが、

その音の輪郭がかなりくっきりして、

さらに音量が大きくなりました。迫力が増しました。

とにかく弾いていて気持ちいいです。

お正月休みにゆっくり味わいたいです。

本当にありがとうございました。

欠けていたインレイもきれいに修復され、

きっとギターも喜んでいます。




松浦弥太郎



いつもありがとうございます!
ぜひまたお声かけて下さい!



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