BLUE STRINGS  

   浜松の弦楽器工房 竹下楽器のギターなウクレレな日々

2014/12/10 (Wed) Martin O-45(1926) 修理

暮らしの手帖 編集長でもある 松浦弥太郎  さまより
マーティン O-45 をお預かりいたしました。

このギターは1926年製。日本は大正15年です。しかも45。
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...-っと見とれてしまうわけですが、
いくつか修理すべきところがあり、そこを改善していきます。
かなり修理の痕跡もあり、このギターが過ごした年月に思いをはせながらの作業です。

まずはナットですが、
ナット溝が低く、強く弾くと開放弦でバズが出る状態でしたので、ナットは交換することにしました。
また以前の修理でヘッド表の突板が損傷しており、接着のラインに沿って剥がれて浮いているので
そこも同時に修復します。
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ナットが入る溝の部分は横から見ると突板の角度が少し鋭角になっていて、
ナットを左右方向にスライドして外すようになっています。
一旦、突板の接着を部分的に剥がして、剥がれと破片がきれいに収まるように数回に分けてクランプし接着します。
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完全には修復できませんが隙間がなくなり、浮いていた剥がれは接着されました。
新しいナットを用意して交換します。
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交換できました。
鳴りと弾きやすいテンション感を意識して、ナット溝を切りました。
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ボディ内部をよく見ると、Xブレイシングの接合部分から割れが入っていました。
弦の張力を支える重要な部分ですので接着します。
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鏡越しでないと見えず、また手が入りにくい箇所で、クラックに接着剤を入れることが容易ではありません。
接着剤は膠(にかわ)ですのでオープンタイムが短いので、何度かシミュレーションして準備し、クランプを成功させます。
修理跡はなるべく残さず、しっかりと接着できました。
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45モデルですので全体に貝の装飾が施されているのですが、
経年変化で部分的に貝が抜け落ちてしまっている部分があります。
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欠損している箇所となるべく同じ色、形状の貝を切り出して補修します。貝の幅は1ミリほどです。
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またエンドピンと穴のテーパーが合っておらず紙とテープが入っていてしっかりと固定ができない状態でした。
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穴を小さくするためにテーパー状にマホガニーの薄板を接着しました。
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エンドピンのテーパーに合わせて嵌り具合を調整します。
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こちらはサドルですが、ブリッジプレートにボールエンドがめり込んでしまっている影響で
サドルの上に弦の末端の太い部分が乗ってしまっています。
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弦穴周辺を削って埋めて修復することもできますが、
ブリッジプレート自体がとても薄く、その修復だけでは効果が期待できないので
ボールエンドを保持するプレートを製作することにしました。
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製作したプレートは接着しないので、オリジナルの状態はそのままで、音質を向上させることができます。
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いろいろな修理を終え、いよいよ新しい弦に交換!すると、素晴らしい音が返ってきました!
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弦を弾くときに期待する音量よりもずっと豊かな音が出て、とても気持ち良くなってしまいます。
とても軽やかなボディが細かく振動して、ボディ内で音がグルグル回っているのが感じられます。
抱えやすいサイズといい音といい、とても素晴らしいギターですね。
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ギターを受け取られた松浦さまよりあたたかいメールをいただきましたので
そのまま掲載させていただきます。


竹下さま



いつもお世話になっています。

ギター到着しました。

このたびはありがとうございました。

ギターがリペアから戻ると、

なんだか子どもが旅行から帰ってきたような、

嬉しさと安堵感があり、最初に弾くときは、

ちょっとしたおしゃべりをするような楽しみがありますね。

早速弾いてみました。

リペア前の音も気に入っていましたが、

その音の輪郭がかなりくっきりして、

さらに音量が大きくなりました。迫力が増しました。

とにかく弾いていて気持ちいいです。

お正月休みにゆっくり味わいたいです。

本当にありがとうございました。

欠けていたインレイもきれいに修復され、

きっとギターも喜んでいます。




松浦弥太郎



いつもありがとうございます!
ぜひまたお声かけて下さい!



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