BLUE STRINGS  

   浜松の弦楽器工房 竹下楽器のギターなウクレレな日々

2016/02/10 (Wed) Martin D28(1977) ネックリセット フルコース ネック塗装 ピックガード交換

香川県の Kさまより  マーティン D-28  をお預かりいたしました。

若い頃に購入されたギターで、
定年が近くなり久しぶりに弾き始めましたが、修理を必要とする箇所も多く、
今回、思い切って修理と全体の調整をお申し込みいただきました。

状態をよく確認すると、全体的にフレットの端部が浮いていて、
すり合わせで中心部が削られてフレットの上面のRがややフラット寄りになっています。
s-IMG_1158.jpg

ピックガードは剥がれていて、
トップにはピックガードの萎縮に伴うクラックが入っています。
s-IMG_1164.jpg

指板のハイポジションが薄くなっていて
ネックリセットで仕込み角をきつくすると更に指板のエンドが下がってしまいますので
指板の裏にテーパーシムを接着する必要があります。
これはフレット交換で指板が削られたり、
オリジナル状態ですでに薄いものもあります。
s-IMG_1163.jpg

慎重にネックを外します。
s-kIMG_7960_201602101427239b1.jpg

ボディ側もキレイに剥がれました。
s-kIMG_7961_20160210142721abb.jpg

浮いたフレットを交換します。
新しいフレットを打ち込む前に指板のうねりを補正するため指板の上面を研磨します。
ネックは少し順反りに反っていました。
s-kIMG_8021.jpg

ヘッドやグリップ部分に大きな打痕や凹み、塗装の剥がれなどがありましたので
オーバーコートで修復しました。
s-kIMG_8374.jpg

ペグを同じ位置に取り付けます。
s-kIMG_8370.jpg

ネックの仕込み角を調整し、
ハイポジションの裏には同じエボニーのテーパーシムを接着しました。

この画像ではよく見えませんが、ダブテイルには接合の具合を調整するシムが接着されています。
近年のモデルでは接着に頼りすぎなのか経年変化で外れるものがとても多いのですが
ネックがボディにフィットした時に
内部でダブテイルのオス・メスがどのくらい密着して接合されているのかがとても大切です。
片側のみにシムをつけて接合の具合を調整しているものが多いですが
自分は左右両側にシムを接着して密着する面積を稼いでいます。
(もちろんネックが接着される左右の位置も調整しています。)

とても時間のかかる作業で、ネックが付いてしまえばわからないのですが
強度はもちろん、音にも関わってくる重要な箇所だと思いますので
時間をかけて調整し、接着しています。
s-kIMG_8371_201602101436582d6.jpg

ネック接着後、フレットをすり合わせ、端部の整形・研磨をして仕上げます。
s-IMG_8795.jpg

トップの割れを接着し、裏には割れ止めを接着しました。
s-kIMG_8796.jpg

ピックガードを製作して貼り付けます。
上面はラッカー塗装していますので、いわゆる塗り込みのような質感で高級感があります。
s-kIMG_8800.jpg

ピックガードは接着されたラインに合わせてほぼピッタリのサイズで一つ一つ手作りします。
s-kIMG_8805.jpg

ナットを無漂白牛骨で製作、交換しました。
s-kIMG_8809.jpg

サドルもオフセットサドルを製作して交換しました。
s-kIMG_8828.jpg

フレット端部は一つ一つ左右を丁寧に整形して
握った時に痛くないように仕上げます。
指板もオリジナルよりもキレイに研磨しました。
s-kIMG_8810.jpg

ネックリセットしたのかわからないくらいの精度で接着できたと思います。
ストラップピン穴も埋めて塗装しました。
s-kIMG_8821.jpg

反対側もいいですね。
s-kIMG_8820.jpg

ヒールキャップも隙間なく付いています。
s-kIMG_8827.jpg

今回はネックの塗装もしたので
指板裏のテーパーシムはよく見ないとわからないと思います。
s-kIMG_8812.jpg

ネックの傷は見る角度によっては見えますが
感触では判断できないほどになっています。オリジナルの色はそのままです。
塗装はラッカーです。
s-kIMG_8825.jpg

ネックアングル、ナット、フレット、サドルと
弦振動に大きく関わる箇所が修理出来ましたので
とても弾きやすい状態に調整ができました。
レスポンスの良い、気持ちの良いヴィンテージの音がします!
s-kIMG_8832.jpg

ギターを受け取られたオーナー Kさまよりあたたかいメールをいただきましたので
掲載させていただきます。

竹下様

  昨夜、到着しました。
 
  古いギターなので、買い替えも考えていましたが、愛着があるギター
  なので今回 お願いしました。

  ケースをあけてびっくり、フレットの光沢がまぶしく、指板もきれいに・・。
  とても弾きやすくなりました。

  丁寧なお仕事に感銘しました。

   ありがとうございました。

                                         K


長い間お待ちいただき、誠にありがとうございました!
ぜひまたお声かけて下さい!



マーティン調整
http://www.bluestrings.co.jp/mrepair.html
マーティン修理例
http://bluestrings.blog33.fc2.com/?q=martin
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アコギ 大変ですね 

久々にアコギバラバラを見ましたが・・
いつもながら、エレキに比べてたいへんですね~
お疲れ様です。応援完了です。

2016/02/14 11:58 | SANO [ 編集 ]


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