奈良県の Kさまより
マーティン D-28 をお預かりいたしました。
1969年製のハカランダが大変美しいモデルです。
長くメンテナンスをしていなかったということでネックリセットを含め
全体をチェックして修理をお申し込みいただきました。
ヒールにわずかな隙間とバインディングの接合部で剥がれがあります。
バックのくびれの近くでも少し剥がれています。
指板も少し剥がれがあるようです。
サドルはかなり低くなっています。
ボディ内部をくまなくチェックすると、テイルブロックに割れがありました。
おそらく強い衝撃があって割れ止めも剥がれてしまったんだと思います。
かなり難しいですが割れを接着して、
さらにホンマホの割れ止めを加工して接着しました。
過去にネックの再塗装をされていて接合部に塗装が乗っていますので
ダメージが最小限に収まるように慎重にネックリセットします。
慎重に剥がしました。
ボディ側もきれいに剥がれてくれました。
ネックの仕込み角を調整して、ダブテイルの接合を慎重に調整します。
ダブテイルには左右両側にシムを接着して
指板のハイポジションにもテーパーシムを接着しています。
接着できました。
角度調整時に塗装が少し欠けてきてしまったため
ネックはオーバーコートもしてきれいにできました。
ネックは膠(にかわ)で接着しています。
接合の具合もいい感じです。
ボディも接合部の塗装をタッチアップしてあります。
ヒールの隙間、バインディングの浮きもなく、きれいにできました。
指板の剥がれもなくなりました。
サドルを無漂白牛骨で交換しました。
とても弾きやすい状態に調整ができました!
高音はキラキラした感じの鈴鳴りで
Dタイプらしく低域もしっかり出ています!
ギターを受け取られたオーナー Kさまよりあたたかいメールをいただきましたので
掲載させていただきます。
竹下様
昨日ギターを受け取りました。
早速荷を解き久々にギターを手にしました。
先ず驚いたのは大変綺麗な仕上がりになっていることでした。
ネックのジョイント部の仕上がりは流石です。
ネック、指板、フレット、サドル等、新品の輝きに蘇りました。
特にサドルはこれほどの高さを維持しつつ、弦高も適度な高さになっていることに驚きました。
やっぱりネックリセットは重要なリペアなんだなと感じました。
そして弾いてみたところ、非常に弾きやすくなっていることに感動しました。
ローフレットからハイフレットまでストレスなく弾くことが出来ます。
音もハカランダのD28らしい、固くジャキっとした音になっているように感じます。
この度はありがとうございました。末永く大切に使っていきたいと思います。
また、しばらくしたらD45(76年式)の調整もお願いしたく思います。
K
この度はご用命、誠にありがとうございました!
次なるご予約もいただきとてもうれしく思います!
ありがとうございます!
ギターの修理・調整のご依頼、お待ちしております
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